概要
2018年4月9日から4月13日にかけて、米国オレゴン州ポートランドにあるEmbassy Suites Portland Downtownで開催された「第108回 USBワークショップ」でのトピックを中心に、USB規格の動向についてご紹介します。
USBワークショップとは
USB-IFは年に4~5回の頻度でワークショップと呼ばれるイベントを開催しています。世界中からベンダーが集まり、ワークショップの場で無料で認証試験を受けることができます。なお、ワークショップへはUSB-IFの会員のみが参加可能となっており、非会員は参加できません。
今回Workshopで受験された主な製品は、USB PD3.0 (Silicon, Charger with/without PPS)またはUSB3.2 Gen2 (Peripheral, Host, Hub, Compound Device)に対応した製品です。割合としてはUSB PD3.0の製品が多く、USB 3.2 Gen2は少ない印象でした。
主なトピック
・Interoperability Test Bed PC
Testbed PCとしてXPS8920/XPS8930が追加され、またXPS8700も引き続き使用可能となっています。参考: USB 3.0 Certification Platform
・Frameworks USB3CV
1) 昨年のUSB規格更新に伴い、bcdUSB=0320hが要求されるようになりました。
2) 全てのPeripheralに対してPD Descriptor試験が追加になりました。PD非対応製品も実施が必要となっています。
・SuperSpeed Link Layerの仕様変更
今回のワークショップでのトピックではありませんが重要な変更になります。2017年2月に発行されたUSB3.1 ECNによりSuperSpeed Link LayerのHP_PENDING_TIMERなどの仕様が変更になりました。これに伴い、SuperSpeed Link Layer試験の判定基準も更新されています。変更前の仕様に従って設計された製品は新しい仕様での試験基準は基本的に満たさないため注意が必要です。
・Link Layerの試験機材
LeCroy社とEllisys社の両社の機材での実施が必要となりました。
・USB Gen2 Device IOP(Interoperability)測定環境
IOP試験で使用するGold Tree向けにGen2 Hubが発表されています。Gold Treeを構成する機材は以下の通りになります。
Test Bed PC: XPS8700/8920/8930 with Gen2 Type-C add-in card
Gen2 Hub: 5段
Gen1 Hub: 1個
Gen1 Gold Tree device (Hub以外のもの)
・Logo Usage Guideline更新
1) USBファストチャージャー認証ロゴを追加

USBファストチャージャーは、PPS(プログラマブル・パワー・サプライ)機能により無駄な発熱を生じさせることなく急速充電を可能とするものです。PPSは極めて小さなステップで電圧、電流を変化させることができます。PPSを使うと受電側が要求する電圧・電流に合わせて給電側が電圧・電流を調整できるため発熱および変換ロスを抑えることができます。
2) USB Trademark License AgreementおよびUSB-IF Logo Usage Guidelines
これらの内容を一致させるため、関連のロゴ名称が更新されました。
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