概要
2018年6月18日から6月22日にかけて、米国オレゴン州ポートランドにあるEmbassy Suites Portland Downtownで開催された「第109回 USBワークショップ」でのトピックを中心に、USB規格の動向についてご紹介します。
USBワークショップとは
USB-IFは年に4~5回の頻度でワークショップと呼ばれるイベントを開催しています。世界中からベンダーが集まり、ワークショップの場で無料で認証試験を受けることができます。なお、ワークショップへはUSB-IFの会員のみが参加可能となっており、非会員は参加できません。
今回ワークショップで受験された主な製品は、USB PD3.0 (Silicon, Charger with/without PPS)またはUSB3.2 Gen2 (Peripheral, Host, Hub, Compound Device)に対応した製品です。割合としてはUSB PD3.0の製品が多く、USB 3.2 Gen2は少ない印象でした。
主なトピック
・Interoperability Test Bed PC
時期は未定ですがTestbed PCがXPS8700からXPS8930へ移行すると発表されました。
参考リンク: USB 3.0 Certification Platform
・Frameworks USB3CV
1) 前回のワークショップのご紹介の中でbcdUSB=0320hが要求されるようになったことについてご紹介しました。変更の期限を確認したところ18か月とのことです。したがって2019年8月まではbcdUSB=0310hでも問題ありません。ただし早めの変更を推奨いたします。
2) PD Descriptor試験について現時点では実施するとの発表はありません。将来的には追加される見込みとなっています。また本仕様についてUSB-IFからECNが発行される予定となっております。
・SuperSpeed Link Layerの試験機材
LeCroy社の機材での実施が必要となりました。
SuperSpeed Link LayerについてEllisys社の機材は使用できません。なお、Type-C Functional TestなどではEllisys社の機材を使用しますので注意が必要です。
・SuperSpeed Link Layerの仕様変更の移行期間が迫っています
2017年2月に発行されたUSB3.1 ECNによりSuperSpeed Link LayerのHP_PENDING_TIMERなどの仕様が変更になりました。移行期間は2018年9月までとなっています。2018年9月までは古い仕様でも問題ありませんが、2018年10月以降に認証を取得する場合は新しい仕様での試験および合格が必要です。
・Type-C充電器のBC1.2サポートが必須に
USB PDのサポート有無にかかわらず、充電器のType-CポートはBC1.2 DCPのサポートが必須となりました。
なお、充電器のStandard-Aポートについては特に言及されておりませんが、BC1.2のサポートを推奨いたします。
・EHCIコントローラとのInteroperability Test (IOP Test)が削除
これまでInteroperability TestはxHCIとEHCIの両方で実施が必要でしたが、今後はxHCIのみの実施となります。
・USB Gen2 Device IOP(Interoperability)測定環境
IOP試験で使用するGold Tree向けにGen2 Hubが発表され、当社でも新しいハブを含むGold Treeを準備しています。
Test Bed PC: XPS8700/8920/8930 with ASM3142 Type-C add-in card
Gen2 Hub: 5段
Gen1 Hub: 1個
Gen1 Gold Tree device (Hub以外のもの)