概要
2018年8月13日から8月17日にかけて、米国オレゴン州ポートランドにあるEmbassy Suites Portland Downtownで「第110回 USBワークショップ」が開催されました。今回もアリオンのUSB担当者が参加しましたので、最新のUSB規格の動向についてご紹介します。
USBワークショップとは
USB-IFは年に4~5回の頻度でワークショップと呼ばれるイベントを開催しています。世界中からベンダーが集まり、ワークショップの場で無料で認証試験を受けることができます。なお、ワークショップへはUSB-IFの会員のみが参加可能となっており、非会員は参加できません。
主なトピック
主なトピックは以下の4つです。
- DRPのSOURCEにおいて、バイパスキャパシタンステストが必須になった
- Car Chargerのテスト入力電圧が3種類になった
- USB-IFのWEBサイトが9月12日に全面的にリニューアルされた
- Super SpeedのHOST機器で認証を取得する場合の注意事項
それでは順番に見ていきましょう。
DRPのSOURCEにおいて、バイパスキャパシタンステストが必須になった
DRPのSOURCEにおいて、Vbusを供給しないときは10uFのバイパスキャパシタンスが必須となりました。SOURCEでPDのみの場合や、Power brickの場合は、適用されません。
Car Chargerのテスト入力電圧が3種類になった
DCP試験では、入力電圧を9V,12.5V,16Vの3種類でのテストが必須となりました。Car Chargerにおいては、これらの入力電圧に対応するように設計しなければなりません。
USB-IFのWEBサイトが9月12日に全面的にリニューアルされた
USB-IFのWEBサイトが9月12日に全面リニューアルされました。
トップページからして面影がないくらいに変わっています。各リンクも変更されており、全面的に変更されたようです。
今までは上部と左側にメニューがレイアウトされているという昔よく見たWEBデザインでしたが、上部と下部にメニューが表示され、中央に重要なトピックを表示するという今風なデザインに変更されました。個人的には、すっきり見やすくなっていると思います。
ちなみに、仕様書などの技術資料はDocument Library (https://www.usb.org/documents)から検索・ダウンロードが可能となっています。しかし9月18日現在(記事作成時)、一部の資料は新しいサイトに移管されていないようです。
以前のサイトにはあった資料で、新しいサイトでは見つからないものがあればUSB-IFにお問い合わせください。
Super SpeedのHOST機器で認証を取得する場合の注意事項
Super SpeedのHOST機器において、2015年12月のUSB仕様変更に対応していないUSBチップを採用された場合、Link Layer Test TD.7.40がFAILする可能性があります。これからSuper SpeedのHOST機器の認証を取得する場合は、この2015年12月の仕様に対応しているかの確認をおすすめします。
おわりに
十年近く変更のなかったウェブサイトが大きく変わったため、混乱する人も多いのではないでしょうか。全面的に変更してしまったために、従来あった項目が見つかりにくいかもしれません。
お仕事などでUSB-IFのウェブサイトを利用している方は、リニューアルしたWEBサイトのどこに何があるのか、確認しておいた方が良いかと思います。