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USB SuperSpeed Low Power Swingの試験追加について

2019年9月24日にUSB-IFからUSB-IF Compliance Updatesが配信されました。その中で2020年5月からSuperSpeed電気試験の手順が追加されるという更新がありましたのでここで簡単に概要をご紹介いたします。該当のCompliance Updatesは以下になります。

・LFPS Tx Low Power/Rx Detect Threshold http://compliance.usb.org/index.asp?UpdateFile=Electrical&Format=Standard#133

上記のリンク先に試験手順が更新されたPDFファイルがありますので詳細はそちらを参照いただければと思います。なお2019年11月8日時点では試験の実施要領や判定基準がはっきりしないところがあり別途USB-IFに確認中です。分かり次第更新していきたいと思います。

Low Power Swingとは

SuperSpeedのLow Power Swingは仕様としては以前から存在していました。その仕様は以下の通りです。

Symbol Min Max Units Comments
VTX-DIFF-PP-LFPS 800 1200 mV Full Swing
VTX-DIFF-PP-LFPS-LP 400 600 mV Low Power Swing

* USB 3.2仕様書 Table 6-29より抜粋

通常のモードをFull Swingと呼んでいますが、それと比べてLow Power Swingでは振幅がちょうど半分になっています。これは省電力とEMIの低減が目的となっています。

全てのUSB機器は仕様で定義されている2つのモードのうちFull Swingは必ず対応しなければならないとなっています。一方Low Power Swingへの対応は任意となっています。現在の認証試験で実施されているのはFull Swingでの試験でありLow Power Swingは実施されておりません。

追加される試験手順

SuperSpeed電気試験のうちLFPSの項目であるTD.1.1 LFPS Tx TestとTD.1.2 LFPS Rx Testの2項目にLow Power Swingの試験が 追加になります。

TD.1.1 Low Frequency Periodic Signaling TX Test

これまでと同様にFull Swingでの試験は必須です。さらにLow Power Swingの試験を実施します。現在の試験手順書ではDUTがLow Power Swingに対応していない場合の扱いは明確にされていませんが、これまでのUSB認証試験と同様であればLow Power Swingに非対応の場合はLow Power Swingの試験はスキップになると考えてよいかと思います。この場合は従来の試験と変わらないことになります。

TD.1.2 Low Frequency Periodic Signaling RX Test

これまでと同様にまず以下の4つのパターンのLFPS信号にDUTが応答するかどうかを確認します。全てのパターンに対しDUTが応答することが要求されます。

  1. tPeriod=50ns, VTX-DIFF-PP-LFPS=800mV, Duty Cycle 50%
  2. tPeriod=50ns, VTX-DIFF-PP-LFPS=1200mV, Duty Cycle 50%
  3. tPeriod=50ns, VTX-DIFF-PP-LFPS=1000mV, Duty Cycle 40%
  4. tPeriod=50ns, VTX-DIFF-PP-LFPS=1000mV, Duty Cycle 60%

続いて以下の4つのパターンのLFPS信号にDUTが応答するかどうかを確認します。この4パターンの試験が今回追加された項目になります。

  1. tPeriod=50ns, VRX-LFPS-DET-DIFF-P-P=100mV, Duty Cycle 50% (Normative)
  2. tPeriod=50ns, VRX-LFPS-DET-DIFF-P-P=200mV, Duty Cycle 50% (Informative)
  3. tPeriod=50ns, VRX-LFPS-DET-DIFF-P-P=300mV, Duty Cycle 50% (Normative)
  4. tPeriod=50ns, VRX-LFPS-DET-DIFF-P-P=90mV, Duty Cycle 50% (Informative)

VRX-LFPS-DET-DIFF-P-Pの仕様は以下の通りとなっています。

Symbol Parameter Gen1
(5Gb/s)
Gen2
(10Gb/s)
Units Comments
VRX-LFPS-DET-DIFF-P-P LFPS Detect Threshold 100 (min)
300(max)
100 (min)
300(max)
mV Below the minimum is noise. Must wake up above the maximum.

* USB 3.2仕様書 Table 6-22より抜粋

手順書には判定基準が記載されておりませんが、仕様を考えると以下の通りになると考えられます。なおtPeriodとDuty Cycleは全パターンで共通のため省略しました。
* 仕様書では「Below」「Above」の単語が使われているため英単語の厳密な意味を考えると100mVや300mVちょうどの信号を使ってよいのかどうかは若干疑問が残るところではありますが、これまでのUSB認証試験と同様に閾値ちょうどの信号を使用すると思われます。

  1. VRX-LFPS-DET-DIFF-P-P=100mV (Normative) → DUTが応答するとFail
  2. VRX-LFPS-DET-DIFF-P-P=200mV (Informative) → DUTは応答してもしなくてもよい (最終判定には影響しない)
  3. VRX-LFPS-DET-DIFF-P-P=300mV (Normative) → DUTが応答するとPass
  4. VRX-LFPS-DET-DIFF-P-P=90mV (Informative) → DUTが応答するとFail (最終判定には影響しない)

問題が発生するなら上記のパターン1でDUTが応答してしまうケースかなと予想しています。

最後に

2020年5月から新しい手順でLFPS試験を実施することとなっていますが、今後変更が入る可能性もあります。その際には改めてご紹介したいと思います。

なお、Low Power SwingはLFPSだけでなく通常のSuperSpeedの信号(5Gbpsまたは10Gbps)にも存在していますが今回はLFPSのほうのみ試験が追加となっています。今後通常のSuperSpeedの信号にもLow Power Swingの手順が追加される可能性はあります。

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