Friday , March 22 2019
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HDMI2.1の新機能(eARC)を対応したデバイスが市場へ既に登場した!

こんにちは! 以前HDMI2.1の紹介記事を投稿しました。今回はHDMI2.1の新機能の1つをより深くご紹介したいと思います。ご存知の通り、“HDMI2.1対応“の機器は既に販売されております。これらの機器がHDMI2.1のどの新機能を持つのか、ご存知ではないかもしれません。現在、一番多くみられる機器は、eARC(Enhanced Audio Return Channel)に対応しているHDMI機器だと思います。そこで、今回はeARCについて話しましょう。

まず従来のARCについて振り返ってみます。次にeARCにはどういった機能が追加されたのかご紹介します。最後にeARCはどのような機器に実装されるのかという事とどのようなユーザーがターゲットとなっているのかについて、考えてみます。

HDMI 1.4 Audio Return Channel (ARC)

元々のARCは古い技術です。2009年の6月に公開されたHDMI1.4の新機能としてARCが知られるようになりました。 ARCはテレビが外部から受信したAVコンテンツに対して音声の部分をHDMIで接続されたAVアンプに “リターン”させるというオーディオ転送技術を指しています。

本来、HDMI信号の流れはソース機器からシンク機器です。例えばPlayStationからテレビへHDMI信号が流れます。しかし、ARCの場合はテレビがTx機器になり、オーディオ信号をHDMI経由で戻します。映像信号とは逆の向きに音声信号が流れます。そういうメカニズムで“オーディオが戻るチャンネル”(Audio Return Channel)といった名称がつけられています。図がないとイメージしにくいので、HDMI団体からの下記の図を借りて説明します。

No ARC Configuration
1つ目の図はARCを使用しない時のセットアップです。シンク機器(テレビ)がオーディオコンテンツをアンプにアナログケーブルもしくはS/PDIFで転送していました。 考え方としては、テレビには良いスピーカーがないため良いオーディオを聞きたいユーザーはAVアンプを使ってオーディオを聞くということです。しかし、そのオーディオ用のケーブルを別途用意するのは複雑だということで、HDMI団体はARCというオーディオ転送ソリューションを発明しました。

With ARC Configuration

2つ目の図はARCを使用する場合のセットアップです。テレビとアンプを接続していたオーディオ用のケーブル(アナログもしくはS/PDIF)がなくなりました。ではテレビはオーディオをどうやって処理しているのでしょうか? テレビはHDMIケーブル経由でオーディオをAVアンプに転送しています。HDMIのケーブル内を映像信号と音声信号が逆の方向に流れているので、双方向の矢印になります。具体的にどういったケースでARCが使われているのかという質問に関しては、下の三つのケースがあげられます。

可能なARCのセットアップ

  1. テレビがAV信号をAVアンプから受信して(上記の図の通り)、信号のオーディオ部分をARC経由でAVアンプに“再転送”します。ARCに関しての設定はCEC (Consumer Electronics Control) プロトコルで自動で行われます。
  2. 上記のセットアップに、さらに別のソース機器 (例えばPlaystation)がテレビの別のHDMIポートに接続されているのを想像してみてください。 PlayStationからのAV信号を受信して、ビデオ信号をテレビで表示して、オーディオ信号を接続されているAVアンプに転送します。
  3. テレビは自分の内部チューナーでAV信号(例えば地デジの番組)を受信します。今回もビデオ信号はテレビで表示して、オーディオ信号を接続されているAVアンプに転送します。

上記のセットアップには, テレビがARCを使用してAVアンプにオーディオ信号を転送しています。 ARCを使用するにはテレビとAVアンプが両方ともARCをサポートしなければなりません。より正確にはテレビはARCの送信(Tx)機能をサポートし、一方、AVアンプはARCの受信(Rx)機能のサポートが必須となります。

HDMI2.1 Enhanced Audio Return Channel (eARC)

今回の記事ってeARCの話ですよね? 勿論、そうです。先にARCの紹介をした理由は、eARCを理解するにはその元となっているARCを把握することが必要だからです。実はeARCのユースケースはARCとほとんど同じです。

eARCでは対応するオーディオコーデックが拡張されています。eARCは8ch.-192kHz LPCMというマルチチャンネルオーディオをサポートすることができます。従来のARCでは2ch.-48kHz LPCM までのサポートとなっています。

ARCではCECを使ってARC対応機器同士がARCの自動セットアップを行いますが、eARCではeARC Common Mode Data Channelという別のチャンネルを使用します。またプロトコルもCommon Mode Signalingと呼ばれる新たなコントロールプロトコルになっています。eARCを実装するにはこのコントロールプロトコルの理解も必要になります。

eARCはDolby True HDまたはDTS Masterという高ビットレートオーディオコーデックも出力できるようになりました。さらにDolby Atmosと DTS:Xという全く新しいオーディオコーデックもeARCで対応できます。

それぞれの規格(Toslink、ARC、eARC)が対応しているオーディオコーデックの比較は下記の表を参照ください。

ARC vs. eARC Comparison

この表の通り、帯域の高いeARCは高ビットレートオーディオの転送ができるようになっています。ARCの1Mbits/secondに対してeARCの37Mbits/secondの帯域がこれを可能にしています。

より高い帯域まで対応する場合は実装が前より複雑になります。新しいプロトコルの制御に関してもeARCに対応した初期の機器では接続相手との互換性の問題が出てくる可能性も十分に考えられます。eARCに限らず新しい機能を実装した場合は十分な検証が不可欠です。HDMI2.1のeARCに関しては試験規格が既に発表されております。eARCの認証試験サービスも開始しておりますので、eARCの検証にご興味がおありでしたら是非お問い合わせください。

eARCをサポートするHDMI機器とeARCのターゲットユーザー

eARC機能をサポートするHDMI機器はハイエンドテレビ(eARC Tx)とAVアンプ(eARC Rx)と考えられます。eARCを実装する主な目的は高ビットレートのオーディオコーデックをサポートするためです。 DTS Master、Dolby True HD、DTS:X、またはDolby Atmosというオーディオコーデックをサポートするにはそれにふさわしいマルチチャンネル対応のスピーカーのセットアップも必要になるでしょう。

従って、eARCを使用する主なユーザーはある程度の広さのリビングルームやシアタールームを持っているユーザーでしょう。eARCに対応するテレビは、しばらくは50インチ以上のハイエンドモデルになると思われるため設置にはそれなりのスペースが必要です。さらにAVアンプや複数のスピーカーを設置するスペースも必要です。

eARCはまだ始まったばかりなので、普及するかどうかはまだ分かりません。ARCで十分なのか、それとも高ビットレートのオーディオに対応できるeARCの需要があるのか、ここ2~3年以内に分かるかと思います。

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