FeliCaリーダライタ検定試験
FeliCaリーダライタ検定試験では、試験で使用するカードやモバイルが多数指定されています。
そのため全てのカードやモバイルで検証を行わずに検定試験に進むと特定のカードやモバイルとの組み合わせで合格しないことがあります。
FeliCaリーダライタの検定試験前に性能評価を行えるよう、ご希望の方にアリオンのFeliCa評価ラボで検定試験で使用するカードやモバイルなどの機材をご利用いただいています。
リーダライタ検定試験をご検討されている方に、FeliCa検定試験についてご紹介します。
FeliCa評価ラボの機材
FeliCa評価ラボでは、試験に必要となる機材一式があります。
・ネットワークアナライザー:リーダーライタの共振周波数が測定できます。
・リーダライタ試験用カード/モバイル:リーダライタ検定試験で必要となる全てのカード/モバイルがあります。
・通信距離測定器:リーダライタとカード/モバイル間の位置を任意に設定固定し、測定ができます。
・デジタルプロトコルボード:FeliCa通信規約通りとなっているか確認できます。
ご用意いただくのはリーダライタサンプルとデータ送受信を確認するソフトウェアです。
・リーダライタサンプル:
検定試験では、生産されるリーダライタの共振周波数の最大値、標準値、最小値相当の3台が必要になります。FeliCa Labで事前検証する時も、同様に準備するのが望ましいです。
・ソフトウェア:
Windows OSでリーダライタを動作させるソフトウェアです。通信プロトコル/応答率を確認します。
リーダライタ検定試験
リーダライタ製品の試験は、基本性能試験と互換性性能試験の2つがあります。
・基本性能試験:
基本性能試験に使用するカードは5種類あります。基本性能試験では、それぞれカードごとに共振周波数の上限品/標準品/下限品の3種類を使います。検定試験では、カード5種類×共振周波数3種類×リーダーライタ3種類の計45通りの組合せで試験をします。
・互換性性能試験:
互換性性能試験に使用するカードは17種類、モバイルは15種類あります。
検定試験では、カード17種類×リーダーライタ3種類の計51通りの組合せと、モバイル15種類×リーダーライタ3種類の計45通りの組合せで試験をします。
以下は最大通信距離25mm以上で分類されるMクラスリーダライタの合格基準で、通信の応答率が規定通りかを確認していきます。
試験項目 | 基本性能試験 | 互換性性能試験 |
通信距離 (センター/角度0度) |
最大通信距離25mm以上であること。 | 最大通信距離15mm以上であること。 |
通信不可領域 (センター/角度0度) |
0~15mmの範囲に幅1mm以上の通信不可領域がないこと。 15mm~25mmの範囲に幅3mm以上の通信不可領域がないこと。 ただし高さ0mmにおける通信不可は幅1mm未満であっても不可とする。 |
0~15mmの範囲に幅3mm以上の通信不可領域がないこと。 |
通信距離 (XY±10mm/角度0度) |
最大通信距離15mm以上であること。 | |
通信不可領域 (XY±10mm/角度0度) |
0~15mmの範囲に幅3mm以上の通信不可領域がないこと。 ただし高さ0mmにおける通信不可は幅1mm未満であっても不可とする。 |
高さ0mmにおいてセンター、XY±10mmの5ポイント中2ポイント以下であること。 |
さいごに
リーダライタとカード/モバイルの組合せは多く、検定試験前に十分に評価しておくことが必要です。これら試験を全て合格で検定試験は合格となります。2022年1月現在の情報です。検定試験の詳細は下記技術情報サイトにありますので最新の情報をご確認ください。
https://www.felicatech.org/readerwriter/rulebook.html
アリオンではお客様に代わって検定試験実施前の代行試験も行っています。代行試験では、特定のカードやモバイルのみのご依頼も可能です。リーダライタ検定試験についてご不明な点がございましたら、お気軽にお問合せください。
https://www.allion.co.jp/certification/felica/