〇はじめに
2021年4月より、USB認証試験にUSB RFI System-Level Testが追加されました。このテストについて、簡単にですが解説します。
〇対象となるテスト対象機器(以下DUT)
以下の内容に当てはまり、かつType-Cコネクタを搭載し5Gbps以上に対応したDUTが対象となります。
- USB 3.2 Hosts End Product (This includes embedded hosts)
- USB 3.2 Hubs End Product
- DRD (Dual-Role-Data)
〇Fixtureについて
以下のようなUSB RFI System-Level Test専用のFixtureを使用します。
〇テストについて
以下のように接続して、テストを実施します。
※この図ではノートPCがDUTになっています。
Fixtureには終端抵抗がついています。Fixtureを接続すると、DUTは接続を検知してネゴシエーションを開始します。しかしFixtureからは信号が出ない為DUTはコンプライアンスモードに移行し、コンプライアンス信号CP0を出力します。
その状態で、テストを実施します。FixtureのUSB Type-Cコネクタが付いている方とは反対側のSMAコネクタに指定のケーブルを接続し、そのケーブルの反対側をスペクトルアナライザに接続します。スペクトルアナライザにより500MHzから6GHzの間を100回測定(平均)します。DUT内の回路が適切に設計されていれば、コンプライアンス信号CP0が出力されていてもRFIの発生が少なく、規定のレベル以下となり、Failする事は無いと思います。
Pass/Failの規定レベルは、現在(2021年夏)は以下のようになっております。
以下の画像はPassした時の例です。
しかし、何かの問題でRFIが発生するような状態ですと、以下のようにFailしてしまいます。
※周波数の低いところで規定レベルをオーバーしています。
〇終わりに
先に述べたようにテストを実施するDUTの条件(仕様)が設定されています。
この条件に合う製品が日本ではほとんど作成されていないと思われ、日本での実績はまだほとんどありません。
しかし現在、USBのインターフェースはType-Cに置き換わりつつあります。
そうした製品の中で、テストを実施するDUTの条件にあてはまれば、本テストが実施される事となります。
その際は、本テストが実施されることを念頭に置いて開発をしていただけたらと思います。
〇参考元および参考文献
この試験についての資料は、以下のUSB-IFのWEBサイトに掲載されております。
<参考元>
USB-IF: https://www.usb.org/
USB RFI System Level Test Procedure: https://www.usb.org/document-library/usb-rfi-system-level-test-procedure