テレワーク、在宅勤務、Tektronix TekScope活用のすすめ

近年、コロナウィルス感染対策の影響でテレワーク、在宅勤務を余儀なくされているエンジニアも多いのではと思います。特に在宅勤務の場合は、測定機材が手元に無いので評価データの分析がやりにくく、更に評価中の製品を社外に持ち出すことも難しいでしょう。そこで今回は、デモを含めてTektronix TekScopeを紹介します。

TekScopeとは

TekScopeは、TektronixがリリースしているPC上で動作する解析ソフトウェアで以下の活用方法が考えられます。TekScopeは、User登録が必要ですが波形観測、測定のみのベーシックバージョンは、無償で利用可能です。但し、無償とはいえネットワークを介してライセンス認証するので、ネットに接続された環境でないと利用できません。

  1.  実験室にあるオシロスコープと事務所にあるPCを接続しリモート操作する。
  2.  複数のオシロスコープをPCに接続し同時に操作する (最大32ch仮想オシロが実現します)。
  3. オシロスコープで保存した波形データをPC上で描画し分析する。

また、Jitter分析、I2CやSPI等のSerial decodeは、有償オプション追加が可能で評価実務に充分な機能を揃えることが可能です。今回は、テレワーク、在宅勤務でオシロスコープが手元に無い状態を想定しNo.3の活用方法を紹介します。

TekScope活用デモ

早速、User登録しTekScopeを使ってみます。実験室にあるTektronix MSO4054Bを使用しデモ用の波形として、Probe calibration信号1KHz、2.5Vpp矩形波を取り込み、isf形式 (Binary)で波形データをUSB memoryに保存します。

図1 MSO4054B波形取り込み

図2 MSO4054B画面コピー

波形データをPCにコピーしTekScopeにLoadすると図3に示す通り、MSO4054Bで保存した波形データが描画されました。PCにオシロスコープが接続されてなくても、波形データを保管しておけばいつでもTekScopeにLoadし波形を観測することができます。オシロスコープに実装されている一般的な機能は、ベーシックバージョンでも利用可能で波形観測のみなら困ることは無いでしょう。TekScopeは、演算機能も豊富で図4に示す通りエディター形式で組み込み関数を利用しながら複雑な計算式も記述できます。既に、読者の皆さんはお気付きだと思いますが、TekScopeを利用すると波形データを保存したMSO4054Bに実装されていない高度な演算機能を利用することができます。

図3 TekScope画面コピー

図4 TekScope演算機能

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最後に

今回は、PC上で動作する解析ソフトウェアTektronix TekScopeを紹介しました。ベーシックバージョンは、オシロスコープの基本的な機能のみでJitter分析、I2CやSPI等のSerial decodeが使えず評価実務を考慮すると機能不足とも言えます。有償オプションは、1年契約でも販売されていますので必要な機能を毎年切り替えながら購入していくと良いでしょう。

参考文献

  1.  TekScope PC解析ソフトウェア | テクトロニクス

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