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MacBook with USB Type-C Charger and Connector

USB Type-C時代の電力関連の仕様とそれに関わる認証試験の例

USB Type-Cコネクタは様々な電力の規格が使用されることが想定されています。
USB規格となっているものだけでも以下のような規格があります。

優先度 規格 電圧 最大電流



USB PD 可変 5A
USB Type-C Current 3A 5V 3A
USB Type-C Current 1.5A 5V 1.5A
USB BC1.2 5V 1.5A
Default USB Power 5V 1.5A/0.9A/0.5A
(接続速度により異なる)

これらの規格には優先度があり、上の表の上段にあるものは優先度が高いと定義されています。
例えばUSB PDとUSB Type-C Currentの両方に対応しているSource機器とSink機器を接続した場合は、優先度の高いUSB PDで電力を送受信しなければなりません。

Type-CコネクタをもつUSB機器の認証を取得するには、Type-C Functional Testの合格が必要です。
その中に、Sink機器として振舞うことができるType-CコネクタのUSB機器に対して実施される電力関連の試験項目があります。
ここでは、そのTD 4.10.2 Sink Power Precedence Testの試験内容とその判定基準についてUSB-IFと確認した事柄も含めてご紹介します。

TD 4.10.2 Sink Power Precedence Testとは

本試験項目の目的を一言で表すと「電力関連規格を優先度の低いものから1つずつ上げていき、Sink DUTがそれに追従するかどうかを確認する」となります。

試験手順の概要は以下になります。
なおカッコ内はType-C Functional Test Specの手順の番号を記載しておりますので元の仕様書を確認される際に参考にしていただければと思います。

1. DUTがUSB2.0に対応する場合に以下を実施します (手順1~4)
1.1 CVSをUSB2.0のUSB Default Powerに対応するSourceに設定します
1.2 DUTがUSB Default USB Powerの規格内の消費電力であることを確認します

2. DUTがBC1.2に対応する場合に以下を実施します (手順5)
2.1 CVSをUSB BC1.2に対応するSourceに設定します
2.2 DUTがUSB BC1.2のネゴシエーションを行い、その規格内の消費電力であることを確認します

3. 全てのDUTに対して以下を実施します (手順6~10)
3.1 CVSをUSB Type-C Current 3.0Aに対応するSourceに設定します
3.2 DUTが3.0A以下の消費電力であることを確認します

4. DUTがUSB3.1に対応している場合はCVSをUSB3.1に対応するよう設定し、上記手順の1~3を再度実施します (手順11~14)

5. DUTがUSB PDに対応する場合に以下を実施します (手順15)
5.1 CVSをUSB Type-C Current 1.5Aかつ5V 1.5AのPDOのUSB PDに対応するSourceに設定します
5.2 DUTがUSB PDのネゴシエーションを行い、1.5A以下の消費電力であることを確認します
5.3 DUTが優先度の低い電力規格で動作しないことを確認します
5.4 CVSをDefault USB Powerのみに対応するSourceに設定し、さらにPDメッセージのやりとりをしないよう設定します
5.5 ネゴシエーション中のDUTの消費電力が規格内であることを確認します

備考:
* Type-C Functional Testでは試験機器のことをCVS (Connector Verification System)と言います。
* TD 4.10.2ではDUTがSink、CVSがSourceになります。
* DUTがUSB SuperSpeedやHigh-Speedなどのデータ通信に対応している場合は電力に加えてデータ通信のネゴシエーションも試験されます。

判定基準の疑問点

この一連の試験の中の判定基準で2点ほど疑問があったためUSB-IFと確認しました。

疑問1: Default USB PowerのSelf-Poweredの場合の最大消費電力は1mAなのか

Default USB Power時の試験の判定基準は以下の通りとなっています。
・Self-PoweredのDUTは1mA未満
・Bus-PoweredのDUTはDescriptor内のbMaxPowerの設定値以下

Self-Poweredの場合は1 unit未満の消費電力であればよいとの認識であったため判定基準が1mA未満になっているのはなぜか確認しました。

回答: 消費電力が1mA以上の場合はBus & Self-Poweredにしなければならない

USB-IFはType-Cコネクタの場合はDefault USB PowerのSelf-Poweredの条件ではUSBから電力を引っ張ってはいけないと考えているようです。

疑問2: USB PDはUSB経由で電力をやりとりしているがBus-Poweredではないのか

USB PDの場合にはDUTはSelf-Poweredと宣言しなければならないとなっています。
しかし、USBから電力をとっている場合はBus-Poweredと考えていたためなぜSelf-Poweredなのか確認しました。

回答: DUTがUSB PDまたはType-C Currentで電力を送受信する場合はSelf-PoweredかつbMaxPower=0の設定にしなければならない

追加で確認したところ、USB PDとUSB Type-C CurrentはUSB経由で電力をやりとりするものの、これらは外部電源とみなされているようです。
USB PDやUSB Type-C Currentの場合はDevice Descriptor以外に電力を通知する方法があるため特に問題にはならないと考えています。

まとめ

DUTによってはDefault USB Powerでの動作時とType-C CurrentやUSB PDの動作時ではSelf/Bus-Poweredの設定やbMaxPowerの値を切り替えなければならないことになります。

また、複雑になっているUSBの電力関連の仕様を分かりやすくするためにUFP-Poweredという新しい用語が定義されています。
このUFP-Poweredですが、VIF Generator1.2.3.1には既に選択肢として用意されていました。
今後UFP-Poweredの詳細が記載された仕様書がリリースされるものと思われますのでその際にはもう一度USB関連の電力仕様についてまとめてみたいと思います。

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