FeliCa認証試験の紹介と何故その規格が我々の日常生活に必要なのか

FeliCaとは

「FeliCa」という名前を耳にしたことはあるでしょうか?
その名称自体は知らない方もいるかも知れませんが、FeliCaは日常生活に欠かせない存在と言っても過言ではない程に生活に浸透している技術です。

例えば、子供からお年寄りまで、多くの人が利用している「ある物」に、その「FeliCa」の技術が用いられています。その「ある物」とは何でしょうか? それは・・・SuicaやPasmoなどの交通系ICカードです。

Felica Logo
Felica Logo Mark

2001年にJR東日本がSuicaを導入したことで、改札通過の効率や運賃清算などの利便性が著しく向上し、革新的な技術として社会に受け入れられました。

サービス開始当初は、その革新性に信用を置けず利用を躊躇した方もいたかと思いますが、現在では多くの方々の信用を得て、普及が加速し、自動改札機の大半が、FeliCaリーダー&ライタータイプになっているほどです。

また、最近はスマホやスマートウォッチにもFeliCa規格のICチップが導入され、Suicaではなく、スマホやスマートウォッチをかざして改札を通過する人もよく見かけると思います。
また、交通系の利用のみならず、電子マネーとして買い物にも利用可能です。小売店のレジにはリーダー&ライターが設置されているのも珍しくありません。

この他、楽天Edyなど電子マネーカードで支払った経験がある方も多いと思います。楽天Edyはクレジットカードや会員カードなど、様々なカードに搭載されていますが、そこでもFeliCa技術が利用されています。

チャージが面倒という短所もありますが、煩わしい小銭から解放されるという長所もあり、ちょっとした物の購入に利用する人も少なくないのが現状です。今や日本に存在するほぼ全ての交通系ICカードや電子マネーにFeliCaの技術が用いられています。

FeliCa認証試験について

このように著しく普及したFeliCa規格の非接触型ICカード・ICチップですが、金銭代わりに使用される物であるため、それを読み書きする機器類は厳格な基準に基づく試験を突破したものでないといけません。

FeliCa技術を開発したSONYから認証試験ラボとして認定されたアリオンでは、リーダー&ライターの認証試験を実施し、SONYの基準に則った厳格なテストサービスを行っています。

認証試験の概要ですが、リーダー&ライターの読取中心点のみならず、その前後左右の複数のポイントでの通信性能を検証しています。

最大通信距離から完全に接触した地点まで、専用の検証機材を用いてミリ単位での厳密な検証を行い、通信不可領域がないかを確認します。

各ポイント(距離)において検証対象機器であるリーダー&ライターと試験機器であるICカードや携帯端末間で100回のPollingを実施し、その成功率が一定以上であれば、そのポイント(距離)としては合格、全てのポイント(距離)にて合格すれば、製品として認証を取得可能となります。

もし、ある箇所で通信不可領域が確認された場合には、前後の一定範囲を厳密に計測し、検証します。
検証においては、開発元のSONYのICカード/チップのみならず、他のメーカーが製造したICカード/チップなど、複数のカードや端末を用いてテストされていますが、これらの検証機材は、SONYが定めた基準に準拠したものを使用しています。

その他の非接触型規格

NFCという言葉を聞いたことがある方も多いかと思います。NFCはFeliCa、Type-A、Type-Bの3つの規格を含んでいます。そのため厳密にはFeliCaとNFCは別のものではなく、FeliCaはNFCの中の1つの規格になりますが、日本ではFeliCaが圧倒的に普及してしまったためFeliCaとNFC (Type-AおよびType-B)のように区別されていることも多いようです。

日本や香港、一部の東南アジアなど一部の国ではFeliCaを利用していますが、その他の海外の国々ではType-AまたはType-Bが使用されておりFeliCaはほとんど利用されておりません。

無線信号との干渉は?

現代ではWi-FiやBluetoothなどの無線技術が発展し、無線信号が飛び交っているのが現状です。FeliCaも無線技術の一種であることを考えると、Wi-FiやBluetoothによる電波干渉はないのか?と心配される方もいることでしょう。

FeliCaは13.56MHz帯を利用した通信ですが、Wi-Fiは2.4GHzまたは5GHz帯、Bluetoothは2.4GHz帯と全く異なる帯域を使用しているため、同じ「無線」と言っても、互いに干渉することはありません。

そのためFeliCaで支払っている最中にWi-FiやBluetoothとの電波干渉を心配する必要は全くありません。

今後の展望

NFCには異なる規格が存在しますが、当然ながら全ての方式に対応した機器のほうが便利です。カード型の機器が全方式に対応することは難しいかもしれませんが、リーダー/ライターのほうは全方式に対応する機器が普及していくのではないでしょうか。

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