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パソコンの普及拡大と周辺機器をつなぐUSBインターフェースの相互関係について

弊社ではHDMIやUSBなど様々な認証・試験サービスを行っています。今回はパソコンの発展とUSB認証についてのコラムです。

パソコンの創世

「パソコン」は、「パーソナル・コンピューター」の略称ですが、1970年代に始まった8ビット時代から使用されています。その頃には「マイコン」という略称も使われていて、こちらは「マイコンピュータ」の略とする場合と「マイクロコンピューター」の略など諸説があります。現在では「パソコン」が一般的であり「マイコン」とは言わなくなって久しいです。

パソコンが8ビットの時代は、設定やOSのインストールなど専門知識が無いと使用するにはハードルが高く、一般にはなかなか普及しませんでした。16ビット時代となっても、その状況はあまり変わりませんでした。設定やOSのインストールから解放され、買ったらそのまま使える状況になるには、Windowsが普及するまで待たなければなりませんでした。

WindowsとUSBの発展

1980年代にWindows3.1がリリースされ、暫くするとパソコンにプリインストールされて同梱販売されるようになりました。それ以前のWindowsは、別売り且つ自分でインストールして設定しましたが、プリインストールパソコンでは、Windowsが既にインストール済みで設定もすでに完了しています。つまり、買ってきたらログイン名の簡単な設定のみですぐに使用できるようになりました。面倒な作業がなくなったので、徐々に一般に浸透してきました。

その後OSだけではなく、ワープロや表計算、家計簿ソフトからゲームまで様々なアプリケーションがプリインストールされたPCが人気だったのもこの頃だったと思います。なによりもアプリケーションソフトが機種固有のものではなく、Windows用のものを買えばよくなったのも一般に普及した要因だと思います。それまでは、メーカーや機種ごと にワープロなどアプリケーションがあり互換性が無く、機種を変えてしまうとアプリケーションも買い替えとなっていました。

Windows3.1の登場によってパソコンは一般に広まりましたが、1995年にその次期バージョンであるWindows95が衝撃的にデビューした事は今でも記憶に残っています。秋葉原では午前零時に販売開始されるなど、現在では想像もできないほど登場が歓迎されました。USBがパソコンに搭載されたのは、Windows95のときでしたが、ドライバや互換性の問題などで、インターフェースはあったけれども接続される機器がほとんど無いという状態でした。

USB機器が増え始めたのは、Windows98 Second EditionがUSB1.1に正式対応してから、徐々にUSB機器が増えていきました。また、パソコンに搭載されるUSBのポート数も増えてきました。しかし、依然としてプリンタポートやPS/2ポートなどのレガシーインターフェースは、CPUリソース消費が少ないアドバンテージがあり、レガシーインターフェース用の機器はなかなかUSBに切り替わりませんでした。

2000年に入りUSB2.0が登場し、通信スピードが12Mbpsから一気に480Mbpsとなりました。それまでのレガシーインターフェースのスピードを一気に凌駕し、CPUも性能が上がりUSBインターフェースがCPUリソースを消費してもあまり気にする必要もなくなり、USB機器が数多く販売されるようになってきました。その後、WindowsもXPとなり、USB2.0で新設されたHigh SpeedをサポートしたEHCIを搭載したパソコンが多数登場しました。

それまで、SCSIなどのレガシーインターフェースに接続していた外付けHDDやスキャナーがUSB接続に、プリンターインターフェースに接続していたプリンターがUSB接続に対応し、レガシーインターフェースからUSBインターフェースに切り替わる製品が多くなっていきました。また、USB MEMORYが広がり始めたのもこの頃だと思います。後に、レガシーインターフェースは、USBインターフェースに世代交代し役割を終えて消えていきました。また、ノートパソコンは、長らくPCMCIA拡張スロットを搭載していましたが、小型軽量を謳うパソコンではそのスロットを廃止し、USBインターフェースに集約されました。

PCMCIA拡張スロットの後は、Express Card規格もありましたが、2011年にUltrabook規格が登場してから実装面積の問題で、徐々に姿を消していきました。現在では、PCMCIA,  Express Card拡張スロットを持つノートパソコンは、ほとんど見かけなくなりました。現在、USBインターフェースは、Type-Cが普及し始めており、HDMI端子やノートバソコン電源端子まで全てType-Cで賄えるので、Type-Cコネクタしか搭載しないノートパソコンも登場しています。

新規インターフェース普及期のトラブル

USB1.1, USB2.0, USB3.0など新しいインターフェースが登場すると発生するのが、「動作しない」などのトラブルです。登場後1~2年すれば安定化してトラブルは減ってきますが、新しいインターフェースが登場して認証試験が開始されるまでの間に販売される、USB規格を満たさない製品のトラブルが多発します。USBに限りませんが、新しい規格が登場した直後には、その規格を満たさない製品が多く販売される事が多く、トラブルが多発するなど市場に混乱を招きます。また、パソコン側も規格を満たしたコントローラーを使用しているから問題ないと思われがちですが、インターフェースが高速化されると、コントローラーからUSBコネクタまでの設計品質により、問題が発生する場合があります。

最近ではUSB3.2が、採用可能な最新の規格となりますが、コントローラーやUSBコネクタが認証品を使用していても、認証試験において様々な問題が発生しています。USB2.0は、登場してからすでに10年以上経過し問題がかなり少なくなりましたが、登場したばかりの初期段階には様々な問題が発生しました。USB3.2も、現在は様々な問題が発生していますが、今後経験として蓄積されていくに従い、USB2.0と同様に徐々に問題が減っていくと思います。

USB認証、解析ソリューションのご案内

USB認証を取得をしなくても製品販売できますが、市場での問題の発生を未然に防止するためにも製品がUSB規格を満たしているか確認をした方が無難です。USB規格を満たしていれば、問題が全く発生しなくなる訳ではありませんが規格を満たしていれば、問題発生確率が非常に低くなります。実際の認証試験に於いても、例えばハイバネーションからのレジューム後に動作しなくなることがあります。認証は取得しなくても認証試験と同じ試験を実施して、製品の実力を確認する事も可能です。弊社では、USB認証をはじめ接続互換性など様々な試験を提供しています。認証は取得しなくてもその実力を確認したい、様々な機器と接続して接続互換性の確認をしたいなどの要求にもソリューションを提供しています。ご興味のある方は、まずは問い合わせ頂ければと思います。

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