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USB Type-C Port

USB Type-C機器の認証の第一歩 Type-C Functional TestのTD 4.1.1について

近年、スマートフォンなどUSB Type-Cコネクタを搭載した機器が普及しています。そのような市場の流れを受けて、お客様から弊社へのご依頼内容もUSB Type-Cコネクタを採用する機器の割合が増えています。

Standard-AコネクタやMicro-BコネクタなどのUSBコネクタ(レガシーコネクタと呼びます)を搭載する製品を開発してきたベンダからは、新たにUSB Type-Cコネクタを採用するにあたり、以下のような質問を頂戴することがあります。

「既存機種のUSBコネクタをレガシーコネクタからType-Cコネクタに変えるだけなのですが、認証試験の内容はこれまでと同じでしょうか?」

残念ながら、これに対する我々の回答は「コネクタをType-Cに変えるだけで認証試験の内容が増える。」となります。

Type-Cコネクタの機器の試験において新たに追加される試験にはType-C Functional Test, Type-C Source Power Test, Type-C Interoperability Test for Macがありますが(*1)、このうち合格へのハードルが最も高い試験がType-C Functional Testと呼ばれる試験になります。今回はこのType-C Functional Testの最初の試験項目であるTD 4.1.1 Initial Voltage TestのFail事例のひとつについて考察したいと思います。

(*1) 試験対象機器が対応している場合はUSB Power Delivery Testも実施されます。

Type-C Functional Testとは

レガシーコネクタにはないType-Cコネクタ特有の機能を確認する試験です。CC1/CC2、SBU1/SBU2、USB PDやType-C Currentなどに関連する試験が実施されます。

このType-C Functional Testの試験機材としてTeledyne LeCroy社のM310PとEllisys社のEX350の両ソリューションが指定されており、その両方で合格する必要があります。

TD 4.1.1 Initial Voltage Testとは

Type-C Functional Test Spec v0.79のTD 4.1.1 Initial Voltage TestのPurposeの項には以下のような記載があります。

1. Verify that SBU pins are terminated with 1M or higher, and there is no signal
2. An unconnected PUT that is not a charger with a captive cable does not source voltage/current on its CC pins.
3. Verify Source – Source connection does no damage

各信号の電圧や電流の確認や試験対象機器の初期状態は正常な状態かどうか、また接続相手にダメージを与える可能性がないかを試験する項目です。

TD 4.1.1でよくあるFail

以下はTeledyne LeCroy社のM310Pの試験ログの抜粋です。TD 4.1.1でFailが発生した場合、このSBUの問題であることが比較的多くなっています。

なお、もう一つのよくみられる問題は、接続相手がいないにもかかわらずVbusやVconnが出力されている、というものです。

SBUピンとは

Side Band Useの略で、DisplayPort Alternate ModeやAudio Accessoryなどで使用される信号ピンになりますが、それ以外には現時点ではあまり使用されておりません。

上のTeledyne LeCroy社のログにもありますが、このSBUの終端の仕様は以下のようになっています。

* Universal Serial Bus Type-C Cable and Connector Specification Release 1.3, July 14, 2017より引用

実験 – どのような場合にSBUのFailが出るか –

SBUピンとGND間の抵抗値はいくらであればよいかを確認するにあたり、以下のような回路を試作しました。

以下が試作した被試験機の写真になります。1つだけみえる抵抗がSBU1の抵抗ですが、この抵抗値を変えて実験をしてみました。

なお、SanDisk社のSDCZ450-032G単体ではTD 4.1.1に合格することを確認済みです。

結果

試験結果
SBU1の抵抗値 Teledyne LeCroy社M310P (*2) Ellisys社EX350 (*3)
0.8MΩ Fail Pass
0.9MΩ Fail Pass
1.0MΩ Pass Pass
オープン Pass Pass

(*2) Teledyne LeCroy USB Compliance Suite v3.55 build 742を使用。

(*3) Ellisys EX350 Examiner v3.1.6786を使用。

 

Teledyne LeCroy社のソリューションでは仕様通りに950kΩをしきい値として判定しているようです。一方でEllisys社のソリューションではSBUの抵抗値は判定されていないことも分かりました。

SBUを使用しないDUTの場合はSBU1/SBU2に1.0MΩ+/-5%以上の終端抵抗をつけておくかオープンにしておけばよいことになります。

SBUの終端抵抗が950kΩ以上なのにFailになってしまう!?

当社で実施した試験では、とあるUSBデバイスがこのSBUの問題によりTD 4.1.1がFailとなりました。このときにSBUの抵抗値を測定したところ950kΩ以上で一見問題ないようにみえたことがありました。これについて追跡調査をしたところ、SBUを使用するDUTでDUTの電源が入らないとSBUの終端が有効にならないことが分かりました。

TD 4.1.1の試験手順によると、SBUの抵抗値を測定する箇所では試験機材はVbusを供給していません。DUTがセルフパワーであれば試験前にDUTの電源を入れますので特に問題は発生しないと考えられます。しかし、1. DUTがバスパワーで、2. DUTの電源が入らないとSBUの終端が有効にならないもの、はTD 4.1.1でFailになることになります。

該当のDUTの初期解析時にはVbusが入力された状態でSBUの測定値を測ってしまっていたということです。

まとめ

TD 4.1.1でSBUに関連する不具合を出さないために以下の点に注意を払うことをお勧めします。

1. SBUを使用しない場合はSBU1/SBU2に1.0MΩ+/-5%以上の終端抵抗をつけておくかオープンにする

2. SBUを使用する場合は試験機材からVbusが供給されていない状態でSBU1/SBU2とGNDの間に950kΩ以上の抵抗値がみえるようにする

参考:

Type-C Functional Test SpecはUSB-IFのウェブサイトからどなたでもダウンロード・閲覧が可能です。

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