Monday , August 3 2020
Home / All / 専門的な回路設計が不要な半田付けとドライバーだけで作るUSB Vbus 5V, 2Aの簡易電子負荷

専門的な回路設計が不要な半田付けとドライバーだけで作るUSB Vbus 5V, 2Aの簡易電子負荷

概要

MCPCモバイル充電安全認証試験は、USB充電器に電子負荷という装置を接続して出力電圧電流特性を確認します。電子負荷は、通信工業向け装置で入力電圧範囲が広く電流値を広範囲且つ高精度で設定したり、VI特性を測定したり様々な機能が実装されていますが、個人で買うには高価です。そこで今回は、簡単な電子負荷を製作してみます。

最も簡単な構成の電子負荷は、抵抗のみで構成する事ができます。例えば、USB端子のVbus(5V)とGNDに50Ωを接続すると、100mAの電流が流れますが電流を変えたい場合は抵抗を取り換える必要があります。また、電流を増やすと抵抗で消費される電力も大きくなるので電力量の大きい抵抗が必要で、放熱対策も必要です。

簡易電子負荷の製作方針

ある程度の電気的知識があれば、市販の電子負荷に近いものは製作可能ですが、今回は以下の考え方で方針を決めました。

  1. 専門的な回路設計が不要。
  2. 高精度な性能は求めない。
  3. 半田付けとドライバーで製作できる。
  4. 電子負荷自身の外部電源が不要。
  5. 入力電流は最大2Aまで。

電子負荷は、降圧型DC-DC Converter(以下、DC-DCと記す。)と固定負荷抵抗で構成します。簡易電子負荷の入力側(DC-DC入力)からは、定電力型電子負荷に見えます。簡易電子負荷のブロック図を下記に示します。DC-DCに入力された電圧Vinは、定電圧VLoutで出力し負荷抵抗で電力が消費され熱に変換されます。

例えば、DC-DC出力電圧を1Vに設定し1Ωの抵抗負荷を接続すれば1Aの電流が流れます。DC-DCは入力電圧が変化しても常に1Vを出力するので、P=I x E=1V x 1A=1Wの定電力が消費されます。一方、入力電圧は、Vbus(5V)でDC-DCの損失が無いと仮定するとI=P/E=1W/5V=0.2Aの電流が流れ、1Wの電力が消費される負荷が接続されているように見えます。

簡易電子負荷の製作

実際に製作した簡易電子負荷を下記に示します。電流モニターし易いように外部電源が不要なアナログ電流計を付けました。負荷抵抗は、1Ω 100Wのメタルクラッド型にヒートシンクを取り付け発熱対策しました。1.5A以上を継続的に流す場合は、メタルクラッド抵抗の発熱が大きくなるのでヒートシンクが必要です。また、メタルクラッド抵抗とヒートシンクの間に導熱グリースを塗り熱抵抗を下げています。入力電流の設定は、DC-DCモジュール基板に実装されている青色のポテンショメーターで調整します。(実際には、DC-DCの出力電圧を調整しています。)
    

    

   

    

簡易電子負荷の性能実験

製作した簡易電子負荷の入力電流と入力電力の特性を実験してみます。入力電圧が4V以下の領域では、DC-DCの入力電圧範囲外で動作せず4V付近から正常に動作していることが分かります。入力電圧5V時に1A、2Aをセットし入力電圧を0~12Vまで変化させた時の入力電流と入力電力を下記グラフに示します。
   

まとめ

今回は、専門的知識があまり必要ない範囲で簡易電子負荷を製作してみました。MCPCモバイル充電安全認証試験で使用している電子負荷は、今回製作した簡易型と比べものにならない位に高機能且つ高性能で、技術知識とノウハウを知り尽くし設計されていることが伺えます。USB端子に接続する負荷として、VbusとGND間に抵抗を付けただけの簡易的な負荷も市販されていますが、今回紹介した簡易電子負荷の構成で2A位までなら実験可能です。尚、簡易型のため入力逆極性対策はなく、入力の+/-を逆に接続するとDC-DCが破損するので実験される方はご注意下さい。

Check Also

USB Superspeed Compliance Mode

手近なものでUSB SuperSpeedのコンプライアンスモードを確認してみる

・コンプライアンスモードとは

Leave a Reply