皆さんこんにちは。
設計、検証、認証対応など、日々USB関連業務に従事されているエンジニアの皆様におかれましては、いつもお疲れ様です。今回は、特にUSB Standard-Aポートを搭載した充電器に関して、BC 1.2 試験に影響する重要な変更点をご共有いたします。
USB Standard-Aポートにおける充電方式は、USB Battery Charging Specification Revision 1.2(BC 1.2)により、最大 7.5W(5V/1.5A)までと規定されています。なお、市場には「Divider Mode」と呼ばれる、D+/D- を特定電圧に固定するVendor Dependentの充電方式も多く存在しますが、これはUSB仕様で定義された手法ではなく、独自実装に該当します。
USB Type-C® Cable and Connector Specification Rev. 2.3 のセクション 4.8.2 には、USB Type-C ポートに Divider Mode を実装することは明確に禁止されている旨が記載されています。従って、Type-C ポートでの Divider Mode 実装はUSB規格違反です。
一方で、Standard-A ポートに関しては Divider Mode の明確な禁止記載はないものの、USB-IF による認証では BC 1.2 に準拠することが前提となっており、Divider ModeはUSB規格準拠とは認められていません。
2025年9月、USB-IF は BC 1.2 DCP(Dedicated Charging Port)に関するテスト手順を更新しました。この新しい手順では、D+/D- 間の抵抗値が 200Ω 以下であることの確認が必要となっています。
この新テスト手順を使用して、Divider Mode と BC 1.2 DCP Mode の両方に対応する Standard-A ポートの充電器を試験したところ、D+/D- の電圧は 2.7V / 2.7V(Divider Modeの典型的な電圧)であり、抵抗も200Ωを超えていたため、試験結果はFailとなりました。
一方、従来の MQP USB PET ツールで試験を行った場合はPassとなったことから、この充電器は Divider Mode から BC 1.2 DCP Mode へ環境に応じて自動遷移するアルゴリズムを実装していると推測されます。
しかしながら、USB-IFの新しい手順ではこのような切替動作を前提としていないため、今後の製品がコンプライアンス認証を通過するためには、Divider Mode の使用を避け、BC 1.2 DCP モードのみに対応することを強く推奨します。
新しい試験に確実に合格するためには、早めの設計見直しと検証が肝要です。引き続き、規格準拠と相互運用性の確保にご協力をお願いいたします。
それでは、また次回。
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