始めに
2018年6月19日、USB-IFがDrop/Droop試験の測定手順を更新しました(Version 1.4.1) 。新手順では試験治具が変更されており、この変更におけるDroop測定結果への影響についてご紹介します。
新・旧治具の変更点
1). リファレンス信号によるトリガー条件を変更
旧治具: リファレンス信号がL→Hのタイミングで電流負荷がかかります。
新治具: リファレンス信号がH→Lのタイミングで電流負荷がかかります。
正しく測定するためにはトリガー設定を変更する必要があります。
2). 新治具では500mAのDroop Loadが追加
測定対象ポートがUSB BC1.2対応の場合はDoop Load 500mAに接続します。
旧治具
新治具
新・旧治具でのDroop測定結果の差
例として同一ポートで新・旧治具で測定したDroop測定の結果を示します。以下で分かる通り、新治具のほうが大きなDroop電圧となっています。
旧治具 Droop測定結果: 77.59mV
新治具 Droop測定結果: 232.0mV
旧治具Droop波形
新治具 Droop波形
まとめ
USB Droop試験の治具変更によりリファレンス信号のトリガー条件が変更されたため、トリガー条件が変更しないと正しいDroop波形が測定できない恐れがあります。また、新・旧治具のDroop測定結果には差分があり、新治具のDroop電圧のほうが大きい傾向があるとわかりました。旧治具でDroop電圧がUSB規格をぎりぎり満たす場合は新治具ではFailになることが考えられます。次機種を設計する際にはDroop電圧の余裕度を考慮することを推奨します。
USB-IFが発行しているDrop/Droop試験測定手順(Version 1.4.1)は下記のリンクからダウンロード可能です。
Drop/Droop試験測定手順