LCRメーターで端子容量を測定したら予想値20~30pFに対し2nFを示したがその結果は本当に正しいのか

概要

HDMI認証試験では、DDC ClockピンとDataピン及びCECピンの容量を測定し、規格内に収まっているか確認する項目があります。試験はLCRメーターを用いて測定しますが、通常pFオーダーに収まります。しかし、2nF等の想定外に過大な容量値が算出される事があります。そこで、何が起こっているか検証してみました。

LCRメーターの動作原理

LCRメーターはDUTに交流信号を印加し、交流電圧と交流電流の比率からインピーダンス(以下、Zと記す。)を算出します。更に、交流電圧と交流電流の位相差も測定し、Zを抵抗(以下、Rと記す。)、容量(以下、Cと記す。)、インダクタンス(以下、Lと記す。)に分解し測定結果が表示されます。では、容量測定時にどの様な交流電圧がDUTに印加されているか観測してみます。 下図は、容量測定時にオシロスコープで観測したDUTに印加された波形で、100KHzのSin波である事が分かります。この時の容量値測定結果は、40pF位で概ね想定通りの結果が得られました。

LCRメーターの誤動作

次に、容量値2nFの結果が得られた時の波形を観測してみます。下図左の波形は、正常な容量値が得られた時の波形と比較すると、100KHzのSin波以外に寄生振動の様な波形が重畳されています。更に、寄生振動部分を拡大した結果が下図右の波形で、4.3MHzの周波数成分を持ち徐々に振幅が低下していく様子が伺えます。

誤動作の考察

LCRメーターは、DUTから出力される4.3MHzの寄生振動が原因で誤動作して2nFの容量値を算出しています。4.3MHzの成分は徐々に振幅が低下している事から帰還アンプの発振現象では無く、共振周波数を持つパッシブな寄生素子を含むLとCが存在していると考えられます。寄生振動はDUT内部の共振周波数に依存しますが数MHzオーダーが多く見られ、また負容量値が算出される場合もあります。(負の容量値は物理的に無い。)

DUT測定端子又は電源に4.3MHzの共振周波数を持つLとCの組み合わせが無いか回路図から検証してみると原因が掴めると思います。尚、LCRメーターの出力周波数を変えると解決可能な場合もありますが、測定条件が厳格に決められている場合は周波数変更が出来ず、DUT内部のCを変更し共振周波数をシフトさせる方法を選択する場合があります。

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