あなたはどちら派? 高価なHDMI Premiumケーブルを使用するか、安価で普通のHDMIケーブルを使用するか

 概要

HDMIケーブルは、Category1とCategory2がありStandardケーブルとHigh Speedケーブルと呼ばれています。HDMI2.0を導入した頃、High Speedケーブルに18Gbpsまたは4K 60Hzに確実に対応できるケーブルが定義され、それがPremium High Speed (以下、Premiumと記す。)ケーブルで価格も相応に高価です。HDMIは、01のDigital信号だからケーブルはどんなものでも良いとも考えられます。では、Premiumケーブルには価格相応の価値が本当にあるのでしょうか? PremiumではないHigh Speedケーブルと比較し、性能差があるかどうか検証してみました。

HDMIケーブル比較評価

HDMI Compliance試験は、ケーブル試験があり電気的性能を定量的に評価可能です。信号発生器とオシロスコープを用いてPremiumケーブルとPremiumではないHigh Speedケーブルを比較してみます。Video信号は、HDMI1.4規格で最大のClock=335MHzにセットしHigh Speedケーブルを介してEye波形を観測した結果を下図に示します。今回測定したHigh SpeedケーブルのEye波形は内側のEyeマスクに接触していませんが、マージンが少ない事が分かります。

一方、Premiumケーブルは、下図のEye波形が得られました。Emphasisが残った様な波形に成っていますが、これはケーブル評価時に適用するReference Equalizer効果が残ってしまったと考えられます。つまり、Premiumケーブルの周波数帯域が広くReference Equalizer効果が強すぎて高域が強調されたEye波形に成っています。また、論理振幅もHigh Speedケーブルと比べ大きく純抵抗損失も少ない事が伺えます。

Premiumケーブルの実力

今回の検証では、Eye波形を比較してみましたが低レートの720x480p 60Hzでは性能差が見えず、高レートの1920x1080p 60Hz 36bit Deep ColorやHDMI2.0 3840x2160p 60Hzに成ると性能差が見えてくると推測されます。試験環境は専用ラボでNoiseも少なくCleanな環境ですが、一般家庭ではスイッチング電源、交流モーター、電子レンジ等のNoise源が多く今回測定したEye波形よりも更にマージンが少なくなる可能性が高いと考えられます。

Premiumケーブルの優位性

高価なPremiumケーブルは、使う意義があると考えられます。01のDigital信号でもマージンが少なく成ると01を誤って判定したり、受信回路で動作している符号訂正機能が回復出来ない位まで01誤判定が増加すると、画面にNoiseが発生したりチラつきが発生します。したがって、HDMIで4Kのコンテンツをテレビに映したい場合、HDMI Premiumケーブルを使用することをお勧めします。なお、Premiumケーブルを購入の際は以下のようなHDMI Premiumケーブル認証マーク(QRコード付き)を目印に選ぶと良いでしょう。

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