USB 2.0 Embedded Host Interoperability試験の方法と判定基準の解説 (1/5)

カーナビやカーオーディオといった車載機器などのUSB製品はカテゴリとしてはEmbedded Hostになります。そのEmbedded HostのUSB認証試験に含まれる、Interoperability(以下はIOP)試験ではEmbedded Hostに特有の試験項目があり、その試験内容を把握していないベンダー様もおられるかと思います。そのため、USB-IFが公表している USB 2.0 Embedded Host認証試験用のCTS (USB On-The-Go and Embedded Host Automated Compliance Plan, Version 1.2)を基に、IOP試験の実施方法と判定基準について解説します。今回は第一歩としてIOP試験で使用される以下の用語を説明します。

Targeted Peripheral Lists (TPL)

テストの前にターゲットペリフェラルリスト (TPL)を提供する必要があります。TPLにはサポートされているUSB周辺機器とUSBハブのリストが全て含まれます。

Targeted Peripheral device(s) (TP devices)

ベンダー様は、以下のTPLデバイスを提供する必要があります。

  • TPLに記載されている各デバイス
  • Embedded Hostが複数のポートを備える場合、2つの同一のデバイスの提供が必要

リストされているすべてのTPLデバイスは、市場で販売されており、かつUSB認証済みである必要があります。ただしこの条件は現在は緩和されています。例として車載機器の主なTPとして想定されているiPhoneはコネクタの関係もありUSB認証は取得できませんがTPとして使用されています。

Prove Functionality

ベンダー様によって定義されたEmbedded Host機能はユーザーが期待するよりも機能的に少なくなる可能性があります。デバイスの機能を証明するためにいくつかの非常に基本的な操作に限ることができます。例えばUSBメモリーは、特定のファイルタイプを読み取る機能は持っているが、それ以外の機能は提供しないなどです。ただし、エンドユーザーに価値ある機能の提供が必要です。デバイスの機能を提供せず、接続成功だけ表示することは不十分です。複数のUSB動作モードを持つEmbedded Hostは、全てのモードで設計仕様に従うことが期待されます。

Error Messages

サイレント障害(silent failure)は許可されないため、何らかのエラーが発生した場合は明確なエラーメッセージを生成することが要求されます。Embedded Hostがハブをサポートしない場合は、明確な「ハブはサポートされていません」または同様のエラーメッセージの表示が必要です。一般的な「サポートされていません」または同様のエラーメッセージは要求を満たしていません。

 

今回はIOP試験でよく使用される用語について説明しました。今後連続記事の形でIOP試験の実施方法と判定基準について順に解説する予定です。

USB2.0 Embedded Host IOP測定用の手順書はUSB-IFのウェブサイトからダウンロードできます。

USB2.0 Embedded Host Compliance Plan

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